流れる星は生きている
昨日,一気に読んでしまいました…。
あまりに壮絶で,途中でやめられませんでした。
すごかった…。
(本日,やや寝不足気味…)
流れる星は生きている (中公文庫BIBLIO20世紀)
著者:藤原 てい | |
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終戦時,満州新京にいた著者が,6歳,3歳,生後1カ月!!の子どもを抱えて,
女手一つで,帰国するまでの脱出の道のりを克明に記載した記録。
ラスカルさん(片面的にブログを読ませていただいてるのですが)のブログに,
「子を持つ者として一度は読むべきです。」
と書かれていたので,読んでみました(単純…)
…が,これは壮絶でした。
幼子がいる人,妊婦にも配慮なんてできなくなる程の苦境。
極限に追い詰められた日本人たちの利己的な行動。
読み始めの頃は,こんな酷いことをするなんて,本当だろうか?
と思うほど,明日は我が身と思うような極寒と飢えと恐怖に晒された状態で,
普通の人間がどんな酷い行動を取るのか,思い知りました。
そして,これがまだ,100年も経っていない日本人が経験したということだということも衝撃的。
人間の徳が吹き飛ぶような困難極まる中,
それでも時折見られる人情や慈悲ある行為が神々しく感じられました。
昨日の敵が今日の友であったり,
ただただ,想像するしかありませんが,
人間の本質の一面を知った気がします。
著者が,全ての描写も自分の内面も含めて,
体裁繕うことなく,
正直に,簡潔な文で淡々と記載しています。
私は8歳,6歳,4歳の子どもがいるので,
著者の6歳の男の子,4歳の男の子,0歳の女の子が,
自分の子ども達とオーバーラップして,
涙が止まりませんでした。
三人のお子さんが生きて帰国できたのは,奇跡としか思えません。
母は強し。
ちなみに,著者の夫は,新田次郎,
二男は,ベストセラーとなった国家の品格 (新潮新書) を書かれた藤原正彦さんです。
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