« アウトプット,アウトプット! | トップページ | マミートラックに気をつけて »

弁護士のワークライフバランス

2010年10月4日 大阪弁護士会で,
東京大学大学院 総合文化研究科教授の

瀬地山 角(せちやま かく)先生による
「お笑いジェンダー論 ~ワーク・ライフ・バランスを考える~」

の講演がありました。

ワーク・ライフ・バランスとは,何か?
という基本的な理解をすることができ,非常に素晴らしい講演でした。

要点は次のとおり。
非常に分かりやすく,重要な視点だと思いますので,読んでください。

① 「ワーク・ライフ・バランス」は,少子化対策の終着点である

  1994年から始まる政府の少子化対策は,
  そもそもは,「家庭における女性による育児」という発想から
  様々な社会政策が重ねられたけれど,その間最近に足るまで,
  一向に出生率が伸びなかった。

  ここから,少子化の問題は,女性だけの問題ではなく,
  男性も含めた働き方を変えなければ解決しない
ということころに行き着き,
  2008年にワークライフバランス元年を迎えたそうです。

  (ちなみに,日弁連では,2008年3月に,大阪弁護士会では,2009年に男女共同参
   画推進基本計画をそれぞれ策定されています)

② 男性の働き方を変えるためには,企業や社会の考え方を変えなければなら
  ない。
 
  
   瀬地山先生は,「植林をしない林業者と植林をする林業者」を例え話として挙げて
  いらっしゃいました。
   植林しながら伐採を行う方が,時間もかかりコストもかかる。
   しかしながら,植林しないで伐採だけを行うと最後は,保水力を失った森林から
  大災害が起こる。少子化問題も,コストと手間がかからない男性ばかりを雇って
  いれば,最後に少子化という大災害が起きる点で同じだと。  

   そして,高度経済成長期の時と現代は違う。
   男性だけが一家の収入を支える一頭立て馬車ではなく,一人あたりの収入は
  下がるかもしれないが夫婦で働く二頭立て馬車の方が,家計全体の収入も上が
  り,リスクも分散されるのではないか?

     少子高齢化社会
   =みんなで働かないといけない社会
   =みんなで子育てをしながら働く社会
   =昔(今?)のような長時間労働では困難
   =働き方を変えよう
   =新しい社会を構想しよう

③ 弁護士白書を見て,その長時間労働(週60時間以上働いている男性40歳以下で
  57.4%)に驚いた。
  こんな長時間で働いて子育てができるはずない。

  そのための解決として,各人の収入は今よりは下がるかもしれないが,人数を増や
  し,仕事量を減らしてはどうか?と提案されていました。   

 

先生のワークライフバランスの考え方は,誌上講座の記事が参考になります。

これだけを見ると,堅苦しそうに思われるかもしれませんが,先生の著作が「お笑いジェンダー論」と題するだけあって,ずっと笑いが絶えない楽しい講演でした。

他にも,ご自身が共働きで子育ての7,8割を担ってらっしゃる経験から,数々の名言や示唆がありました。

・ 「子育てで男にできないことはない」(同感!!)

・ 離婚率は3割5分(1970年代は1割だった)。専業主婦で,永久就職できたという感覚
 は危険極まりない。

・ 専業主婦は,大都市圏・高階層に集中している。保護すべき対象は,専業主婦では
 なく,母子家庭等の低所得者等に集中すべきである。

・ 第1子出産後仕事を継続している女性の割合は,女性の25%と,1985年から
 2004年頃の間で全く比率として変わっていない。

・ 「働く人間の背後には必ずその人によるケアを必要とする人間がいる。」企業は,
 男性社員の背後にいる高齢者や子どもの存在に配慮を。

等等…  書ききれませんが,非常に頭の中が整理され,感銘を受けたのでした!

先生のブログは→ こちら (弁護士会での講演のことも書かれています)

|

« アウトプット,アウトプット! | トップページ | マミートラックに気をつけて »

ワークライフバランス」カテゴリの記事

コメント

Twitterで紹介されてらしたので、初めて覗かせて頂きコメントさせて頂きました。
納得しまくり、同感しまくり・・・。
専業主婦を責める訳ではないですが、男性の収入に頼らず生きてる女性も多い(単身者・主婦に限らず)のだと言う事、もっと女性自身もわかって欲しいと思う今日この頃です。

投稿: KEI | 2010年10月28日 (木) 19時23分

KEI様

ブログを見に来てくださって,そして,コメントをいただきまして,本当にありがとうございます。その上,共感いただけたとは,とても嬉しいです。
ブログを書いて,それにコメントを頂けると,
とても参考になってありがたいです。
そう,私も女性は精神的にも経済的にも自立すべきだと思っています。

瀬地山先生の話だと,専業主婦さんは,都市部に集中しているようですよ。地域にもよるんでしょうね。

これからも宜しくお願いします。

投稿: Cate | 2010年10月29日 (金) 23時00分

初めまして。twitterからやってきました!!

『各人の収入は今よりは下がるかもしれないが,人数を増やし,仕事量を減らしてはどうか?』
私は弁護士ではありませんが、社会全体にこの事がいえるのではないかと思っています。
独身者には迷惑な話かもしれませんが、そうしないといつまでたっても『残業が出来ない人=使えない人』みたいな考えが消えず、子育てや介護をしなければならない人が不利になると思うんです!!

社会全体の仕組みを変えることはほんと、時間がかかり大変な事だと思いますが、それでも、諦めずに、少しずつ働きやすい世の中になっていけたらいいな~と思っています♪

投稿: nanako | 2010年10月30日 (土) 06時48分

nanakoさん、コメントありがとうございます(お返事遅くなって、ごめんなさい)

コメント、子育てや介護しながら働いている人が不利になる社会は、本当におかしいですね。
困難かもしれませんが、少しずつ社会を変えていきたいものです。

投稿: Cate | 2010年11月14日 (日) 11時50分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1127111/37071919

この記事へのトラックバック一覧です: 弁護士のワークライフバランス:

« アウトプット,アウトプット! | トップページ | マミートラックに気をつけて »