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Me2.0

久しぶりに書評を。

約5年前,同業の友人が,ネット上で依頼者の相談を受けるというサイトを立ち上げ,
その際,相談にのる弁護士として,顔写真とともに,載せないか?
と,誘われたことがあります。

その際,私ともう一人いた女性の弁護士の回答は,
「顔写真載せると,興味本位の人たちからのコンタクトがあって危険かも…。
やめとくわ。」
というもの。

今だと,笑い話のようですが,当時は,結構真剣にこう答えていました。
今なら,即快答してるでしょう。
ずっと昔のようだけど,たった5年。5年で,人の感覚がここまでかわっているということに時代の流れの速さを感じます。



確かに,弁護士は,相手方がネット上で検索可能ですし,
やはりトラブルが生じている関係を取り扱う仕事なので,
相手方,また,依頼者においても精神的に追い詰められていたりして,通常の判断をしにくい方がいる可能性もありますから,
プライバシー情報をどこまで開示していくかということについては,
慎重にならざるを得ない部分があると思います。

だけど,どこまでを開示し,自分を表現していくか,について,
真剣に考えなければいけないなぁ,と考えされたのがこの本。

      
Me2.0 ネットであなたも仕事も変わる「自分ブランド術」

著者:ダン・ショーベル

Me2.0 ネットであなたも仕事も変わる「自分ブランド術」


この本は,
Web2.0の普及によって,
双方間コミュニケーションがネット上可能になった現代において,
個人が自分自身をブランディング(パーソナルブランディング)する必要性とその意義,
方法論について書かれた本です。

著者は,20代半ば!で,
この本の対象者も20代の大学生,新社会人に向けて書いたものです。

この本では,
これまでの個人が,企業ロゴや役職ネームを縦に,企業ブランドや
個人ブランドを隠していた状態を「Me1.0」とし,
その対照として,
すべての個人が肩書や目標を問わず,
価値ある自分ブランドを持ち,それを堂々と掲げている状態を「Me2.0」と定義します。

パーソナルブランディングが必要となっている背景として,
ネット環境がインフラとして整い,
個々人が平等化(イコライザー)され,フラットな状態で評価されるに至っていること,
また,ダイレクトコミュニケーションが可能となっていること,
その中で,他の人にはない自分の強み・価値を自分自身で表現しなければ,
自分の好きな職業で生きていくという成功を手に入れることは難しいという時代がきていると説明します。

最近よく聞く,「個人が情報を発信する時代」ですね。


そのためには,
他者との差別化,
市場性を有したキャリアパス(職歴・経験)を意識しながら,
積んでいく必要があると説きます。

そのうえで,自分のブランドをポジショニングする分野を
①見つける②つくる③伝える④管理する
という各方法論を章ごとに詳細に説明しています。

根底として,
パーソナルブランドは,他者がいて初めて必要性を生じるものであり,
また,他者と協働し,情報を共有する中で生まれて,活かされてくるものであることから,
何より人脈が大切であるという考えの下,
これまでのオフラインによる人脈を広げる方法に加え,
自分の強みを上手く表現しつつ,
Facebook,YouTube,SNS,ブログ,ツイッター等のネット上のツールを利用して,
人脈を広げ,自分のブランドをPRする手段として活用する,マーケティングに利用する方法を例示し,その際の留意すべきポイントを網羅しています。

自分のことに置き換えると,
弁護士というだけで,簡単に生きていけた時代は終わっていることは,
肌身感じているわけで,
専門分野の確立とそのPRということも真剣に考えないといけないなと改めて感じ,
かつ,
自分の子供たちが大人になった時に何が評価される時代になっているのか,
なんてことも考えながら読んでしまいました。

今後の時代の流れ,
特に,マーケティング,キャリア開発,自己表現について,
一つの明確な指針を示した本で,一読の価値あり!です。

追記:この本,一番面白いと感じたのは,監修者土井栄司さんのあとがきですが,土井さんがこの本について語っているYouTubeも面白いです

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